
当初は5月2日から全国ツアーとして予定されていた公演。
コロナ禍で8月17日~25日 梅田芸術劇場公演へと日程変更されたものの、お稽古中に出演者1名の感染が明らかになって再び中止。梅芸前に掲示されたこのポスターが全部外された時にはどうなることかと思いましたが、日程を再変更して無事開幕できて、本当によかったです。
宝塚歌劇 雪組公演
ミュージカル・ロマン 「炎のボレロ」
作: 柴田侑宏 演出: 中村暁
ネオダイナミック・ショー 「Music Revolution! -New Spirit-」
作・演出: 中村一徳
出演: 彩風咲奈 潤花 奏乃はると 真那春人 久城あす 朝美絢
叶ゆうり 星南 のぞみ 彩みちる 縣千 有栖妃華 音彩唯 ほか
2020年9月2日(水) 4:30pm 梅田芸術劇場メインホール 1階18列センター
(上演時間: 3時間/休憩 30分)
ミュージカル・ロマン 「炎のボレロ」
作: 柴田侑宏
演出: 中村暁
作曲・編曲: 寺田瀧男 吉田優子
振付: ANJU
1988年に星組 日向薫さんトップお披露目公演として上演された作品。
いつも感心しますが、宝塚のプロデューサーの人って、過去の作品が全部頭の中にあって、「この全ツにはあの作品を」とひらめくのかしら。よく再演されている作品ならまだしも、32年ぶりの再演ってどうやって思いつくのでしょう。
物語の舞台は1860年代 フランス傀儡政権下のメキシコ。
祖国を守るためフランス軍に抵抗し殺され、領地や財産も奪われた大農園主 カルザス伯爵の息子アルベルト(彩風咲奈)が新政府の官房長官ブラッスール伯爵(久城あす)に復讐するために故郷に戻って来たところから始まります。
フランス軍情報部大尉ジェラール(朝美絢)が彼を捕えようとつけ狙う中、アルベルトは祖国を取り戻すために闘う共和派の仲間たちと行動を共にします。ある日、アルベルトはカテリーナ(潤花)という女性と出会いますが、彼女は体制側のドロレス伯爵(奏乃はると)の令嬢で、ブラッスール伯爵の息子 ローラン(叶ゆうり)の婚約者でした・・・。
いかにも古き良き時代の宝塚作品という趣き。
俺はいつも一生懸命
力の続く限り
俺はいつも一生懸命
生きて生きてゆく
とアルベルトが歌う歌詞も、ストレート過ぎてちょっと気恥ずかしくもなりますが、物語の中に溶け込むと特に違和感もなく。
少し前にスカイステージでオンエアされた初演をチラリと観たのですが、退屈して途中で寝落ち・・・ハッと目が覚めると何だかみんな笑顔のハッピーエンドで、「あれ?悲劇の予感だったのに」と思ったものですが、ナマの舞台はさすがに退屈なんてするヒマはなく、最初から最後まで楽しく拝見しました。
オープニングの太陽の祭りをはじめモニカ(彩みちる)が働く酒場の場面、太陽と月のコンテストの場面、アルベルトとカテリーナのボレロなど華やかなダンスシーンもふんだんに盛り込まれ(振付は今回全場面 ANJUこと安寿ミラさんで刷新)、ゆったりした感じの美しい主題歌と「ベサメムーチョ」などの耳慣れたラテン音楽、衣装も華やかで、まさに宝塚の王道恋物語。
続きがあります