2020年08月05日

夢を図る歌舞伎 図夢歌舞伎 「忠臣蔵」 第五回


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図夢歌舞伎『忠臣蔵』もついに千穐楽。
始まる前は、毎週観られるのね、5回もあるのね、と楽しみにしていましたが、あっという間でした。
ラストはいよいよ討ち入りです。


図夢歌舞伎 「忠臣蔵」 第五回 「九段目・十一段目」
構成・演出:松本幸四郎
脚本:戸部和久
竹本:竹本葵太夫  豊澤淳一郎
長唄:鳥羽屋三右衛門社中  杵屋栄十郎  鳥羽屋里松
鳴物:田中傳左衛門社中  田中傳左衛門  田中長十郎  田中傳九郎  田中傳四郎  田中傳三郎
尺八:川瀬順輔  
立師:市川猿四郎
出演: 大星由良之助/加古川本蔵:松本幸四郎
戸無瀬:市川猿之助
大星力弥:市川染五郎
口上人形:市川猿弥
坂東やゑ亮  市川右田六  市川喜楽  尾上松悟  坂東やゑ六  川笑猿
後見:市川段之  松本幸蔵  市川郁治郎  松本幸之助  松本幸次郎

2020年7月25日(土)11:00am Streaming+
(配信時間 40分+アフタートーク 15分)



冒頭、これまでの4回のダイジェスト映像が口上人形の口上とともに流れます。
師直、本蔵、顔世御前、判官、由良之助、勘平、定九郎・・・畳みかけるように次々と画面に現れて、いや~、千穐楽にして凝った映像でした。
「越すに越されぬ画面越」と名言も出て、口上人形の周りにも雪がちらついて開演です。


雪道を傘を手に歩く戸無瀬。
小浪は出てきませんが、手の動きや目線で傍らに小浪かいるかのように感じられます。
白い雪の中に戸無瀬の着物や傘、下駄などが色鮮やかに映し出されて映像ならではの美しさ。

そして、由良之助と戸無瀬とのやり取り。
チャット紹介コーナーで口上人形が、「本日現場にはわたくしとあーちゃんしかいません」とおっしゃっていましたので、事前撮りの戸無瀬とナマの由良之助とのお芝居だった模様。
これがまるで対面しているかのようで、本当に図夢歌舞伎は回を重ねるごとに様々な面が格段にヴァージョンアップして、録画とナマの区別も全くつかなくなってきました。
小浪の台詞は葵太夫さんの語りで、お石の役割は由良之助の台詞として見事に置き換えられるという脚本の妙。
戸無瀬、由良之助、力弥、本蔵(幸四郎さん早替り)で、とても深いお芝居を見せていただきました。


口上人形の場面を挟んで十一段目。

図夢ならでは

今回の図夢ならでははこの討ち入りの場面。
1画面1人なので全部映像合成なのですが、2分割、3分割、4分割と駆使して、名題下さんたちのスピーディで迫力ある立ち回り(立師は猿四郎さん)になっていました。
まるで映画を観るようなこの場面、結構長くて見応えありました。

ついに高師直を討ち取り、判官の位牌に師直の首を手向け、勝どきを挙げる浪士たち。
「貫く一念 叶いて今ぞ明けの明星 必ず明日は日本晴れ必ず明日は日本晴れ」という言葉に万感の思いが溢れる幸四郎さん由良之助の目は潤んでいて、その表情を観ているだけでも胸に迫るものがありました。



アフタートーク

この図夢歌舞伎の初回レポにも書いた幸四郎さんの涙はこの時にやってきました。
「図夢歌舞伎、いかがでしたか?」と戸部さんに聞かれて、
「3月に歌舞伎座で収録のためにお芝居して以来会う方々ばかりでした。大道具さん、照明さん、衣装さん・・・」と話すうちに感極まって声をつまらせ、みるみる涙ぐむ幸四郎さん。ついには着ていた浴衣の袖で涙をぬぐっていらっしゃいました。
多分ライブで観ていた人みんなそうだと思いますが、私も例に漏れず、もらい泣きしたよね
「歌舞伎には底力があるんだぞ、というところをお見せしたという思いがあった」と。


千穐楽の二役、図夢なんだから由良之助か本蔵、どちらか事前撮りにしてもよさそうなのに、それをよしとせず、大汗かいて早替りしたという幸四郎さん。
早替りが本当に早いと戸部さんに言われて、
「それができたらおもしろいだろう 
 それができたらカッコいいだろう 
 それができたらびっくりするだろう
 ・・・ということだったらやらないと」

早替りに限らず、幸四郎さんはいつもそうです。
いつも私たちを驚かせ、楽しませ、ドキドキワクワクさせてくれます。



「歌舞伎の力を信じてやり通した」とおっしゃる幸四郎さんの強い思いと覚悟が溢れた今回の企画。
少ない人数ながら座組にも恵まれて、毎回とても見応えがあり、楽しませていただきました。
そして最後にあの涙だもんなぁ。ズルイよ、幸四郎さんw



千穐楽の由良之助と幸四郎さんの涙を伝える松竹演劇部さんのツイート









いつか満員の歌舞伎座で、目一杯の拍手を贈れる日が来ることを信じています のごくらく度 (total 2125 vs 2130 )


posted by スキップ at 23:52| Comment(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする