2020年02月25日

阿部サダヲの凄み 「キレイ -神様と待ち合わせした女―」


kirei2020.jpg2000年に松尾スズキさんがミュージカルに初挑戦した作品。
その後、2005年、2014-15年と再演を重ねて今回が4演目です。
初演は観ていなくて2005年の再演から観始めたのですが、それでももう15年になるのねー(遠い目)。


「キレイ -神様と待ち合わせした女―」
作・演出: 松尾スズキ
音楽:伊藤ヨタロウ
音楽監督: 門司肇  美術: 池田ともゆき  
映像: 上田大樹  振付: 振付稼業 air:man
出演: 生田絵梨花  神木隆之介  小池徹平  鈴木杏  
皆川猿時  村杉蝉之介  荒川良々  伊勢志摩  猫背椿  
宮崎吐夢  近藤公園  伊藤ヨタロウ  岩井秀人  
橋本じゅん  阿部サダヲ  麻生久美子 ほか

2020年2月1日(土) 6:30pm フェスティバルホール 1階22列上手
(上演時間: 3時間45分/休憩20分)



3つの国に分かれ長く内戦が続き、大豆原料の人造人間ダイズ兵が戦う「もう一つの日本」が舞台。
誘拐され、10年にも及ぶ監禁から逃げ出した少女ケガレ(生田絵梨花)は記憶を失いながら、ダイズ兵回収業者カネコキネコ(皆川猿時)、その息子で頭は弱いけれども枯木に花を咲かせる能力を持つハリコナ(神木隆之介)、大豆でできた兵士・ダイズ丸(橋本じゅん)、回収されたダイズ兵を食用として加工する食品会社の社長令嬢・カスミ(鈴木杏)たちと出会い、波乱万丈の人生を送りながら、自ら封印した忌まわしい過去に立ち向かっていきます。
そんなケガレを見守るのは成人したケガレ=ミソギ(麻生久美子)とその夫である大人になったハリコナ(小池徹平)・・・。


猥雑でグロテスクで熱い狂乱の中で、どこか醒めた目線。
まるで絵空事のような世界を繰り広げながら、戦争や民族差別といった重いテーマ。
歌とダンスと笑いを散りばめなから、全編を支配する切なさ。
弱者を思い切り笑い飛ばしながら、包み込む優しさ。
松尾スズキさん 真骨頂です。

↑ これ、前回観た時(2015年1月)の感想に書いたのですが、その世界観はまんま健在でした。

♪人間とは多面体であって 鯨を保護した同じ手で
便所の壁に嫌いな女の電話番号書いて 「2000円でヤらせる女」とか
 (「ここにいないあなたが好き」)
・・・のように、人は善も悪も、喜びも哀しみも、幸せも不幸も、キレイもケガレも、清濁すべて併せ持っている生きものなんだという普遍的なテーマをまた突きつけられた思いでした。

そしてあのクライマックス。
自ら封印した過去に対峙し、地下室から扉を押し開け脱出するケガレ。
女神像を倒し、扉をこじ開けて地下に降りていくミソギ。
少女時代のケガレと大人になってからのケガレ(ミソギ)・・・異なる時間軸の中で生き、交わることのなかった二人の時間と空間が交錯する場面。
映像を観ているような感覚にもなり、何度観てもシビれる演出です。


続きがあります
posted by スキップ at 23:45| Comment(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする