
イオカステはドレスにハイヒール
そしてテーバイは、疫病に襲われ危機に瀕する近未来都市。
シアターコクーン・オンレパートリー2019
DISCOVER WORLD THEATRE vol.7
「オイディプス」
原作: ソポクレス
翻案・演出: マシュー・ダンスター
翻訳: 木内宏昌
美術・衣裳: ジョン・ボウサー
振付: シャーロット・ブルーム
照明: 勝柴次朗 音楽: かみむら周平
出演: 市川海老蔵 黒木瞳 森山未來 高橋和也 中村京蔵
谷村美月 柳本雅寛 湯浅永麻 平原慎太郎 笈田ヨシ ほか
2019年10月19日(土) 1:00pm シアターコクーン 中2階 ML列
(上演時間: 1時間50分)
「父を殺し、母を娶るであろう」という恐ろしい予言から逃れるため、放浪の旅に出た古代ギリシャ・コリントスの王子オイディプス(市川海老蔵)が旅先のテーバイで英雄となり、先王ライオスの妃イオカステ(黒木瞳)を妻に迎え国王の地位につきます。やがて蔓延する疫病から国を救うため、神託に従い、先王殺害の犯人捜しを始めますが・・・。
客電が落ちると大きな警戒音と赤い回転灯の光の中、大きな扉から現れる白い防護服とガスマスクの人々。
これが日本での初演出作となるというイギリスの演出家 マシュー・ダンスターが紡ぎ出すギリシャ悲劇の世界は、人名や地名はそのままに、現代とも近未来とも取れる空間で展開します。
疫病に襲われて生あるもの皆が危機に瀕する都市テーバイを、気候変動や自然災害に苦しむ私たちの日常に直結する場として描き出しているのだとか。そこには核の脅威も含まれているのかもしれません。
「ギリシャ悲劇」「歌舞伎」「ダンス」のコラボレーション。
これまで何作か観てきた「オイディプス」とあまりにも雰囲気が違っていて最初は少しとまどったのですが、基本的にストーリーには忠実でよく知っている物語。それがこれまで観たことのない演出でこんなふうに斬新になるのはかなり刺激的でおもしろかったです。
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