2019年09月28日

九月花形歌舞伎 「東海道四谷怪談」


yotsuyakaidan201909.jpg関西では26年ぶりの上演となる「東海道四谷怪談」。
結構よく観ている気がするのですが、全部東京でしたか。
直近に観たのは2017年の「晴の会」ですが、あれは自主公演だからカウントされないのね。

中村七之助さんが初役でお岩・与茂七・小平の三役に挑みます。


南座開場記念 九月花形歌舞伎
通し狂言 東海道四谷怪談
序 幕 浅草観音額堂の場/按摩宅悦内の場/
     浅草観音裏地蔵前の場/同 田圃の場
二幕目  雑司ヶ谷四ッ谷町伊右衛門浪宅の場/
    伊藤喜兵衛内の場/元の伊右衛門浪宅の場
三幕目 砂村隠亡掘の場
大 詰 蛇山庵室の場

作: 四世鶴屋南北
監修: 坂東玉三郎
補綴: 竹柴徳太朗
出演: 片岡愛之助  中村七之助  市川中車  中村壱太郎  
中村歌女之丞  中村鶴松  片岡千次郎  片岡亀蔵  市村萬次郎 ほか

2019年9月22日(日) 11:00am 京都南座 3階1列センター
(上演時間: 4時間/幕間 30分・20分)



坂東玉三郎さん監修。
戸板返しや提灯抜け、早替りといった「四谷怪談」につきもののケレンはもちろんありつつ、奇をてらったところがなくて、これまで観た数々の「四谷怪談」の中でも結構正統派の印象を受けました。

幽霊やホラーといったイメージが強い「四谷怪談」ですが、お岩という女性の純粋さゆえの悲劇・・・とても切なく哀しい情念と因果の物語だと思っています。
そのあたりがとても丁寧に描かれていました。


七之助さん入魂のお岩。
内からにじみ出る儚さ、健気さ、それらを覆ってしまうような怒りと怨念。お岩の持つ表裏一体の情念を見事に描出。
二幕 「元の伊右衛門浪宅の場」。
夫である伊右衛門に騙された無念、「これがわたしの顔かいな」という悲痛な叫び、髪梳き・・・凄まじいほどに鬼気迫る場面に客席中が静まり返っていました。顔は醜く変貌していますが、えも言われぬ色気を醸し出すお岩さん。伊右衛門に不義をしろと言われて不承不承といったテイの宅悦がついその気になってしまうのもむべなるかな。

宅悦は千次郎さん。抜擢だと思いますが、さすが日頃の精進が表れて上手い。


続きがあります
posted by スキップ at 23:22| Comment(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする

2019年09月27日

お蕎麦はもちろん出し巻きも絶品 @はやうち


image2 (4).jpg

いつもお世話になっている整体院は四天王寺の近くにあるのですが、昨日は終わった後、こちらでランチ。
このエリアでは有名なお蕎麦屋さんで、平日でもランチタイムには行列ができるほど。
私が着いた時(木曜日の12時30分くらい)にもお店の前で何人か待っていらっしゃいましたが、ちょうど前のお客様が続けて出られるタイミングで、ラッキーにもすぐに入ることができました。


四天王寺 はやうち
大阪市天王寺区四天王寺1-12-16
tel:06-6773-2858

四天王寺の参道を北へ少し歩いたあたり
地下鉄谷町線 四天王寺前夕陽ヶ丘駅から歩いてすぐのところにあります。
古民家を思わせる趣きのある入り口に白いのれんと大きな「はやうち」の看板が目印です。


まずはお蕎麦を・・・の前に、メニューにあった「出し巻き」に目が吸い寄せられて、でも一人だしなぁと思ってお店の方に「この出し巻きって一人だと食べきれないですかね?」とお尋ねしたところ、「かなり大きいので小もあります」とおっしゃってくださって、「じゃあ小を!」と喜んでオーダーしました。


image1 (5).jpg

じゃん!
卵ぷるぷるでつゆだく、出し巻きとはかくあるべきという(私にとって)理想の出し巻き。
熱々だし、めちゃおいしい!めちゃおいしい!と心の中で何度も言いながらいただきました。
これなら普通サイズでも全然イケましたワ。
この出し巻きが入ったこちらの名物太巻きもあって、次回は絶対これ食べようと心に誓ったのでした。



image2 (5).jpg

おそばは、「細挽きせいろ」と「荒挽き田舎」とを散々迷って、「細挽き」の方をいただきました。
大体皆さん一枚ずつ両方召し上がる方が多いようです。天ぷらせいろも人気でした。

「土山人」ご出身のご主人が繰り出すお蕎麦は、コシがあってのどごしよく美味しくて、口の中で蕎麦の旨味と香りがふわりと広がるよう。
こちらもツルツルあっという間に完食で、何なら荒挽きの方も・・・と思いましたがさすがに自粛しました。


image2.jpg

だって出し巻きの他に「そばチップスとクリームチーズ」も食べたんだもーん(^^ゞ


最初に「お蕎麦は後でお出ししますか?」と聞かれて、「一緒で構いません」とお伝えしていたのですが、ちゃんと出し巻きを食べ終わるタイミングでお蕎麦を出してくださって、お蕎麦をあと少しで食べ終わるかなというところでさっと蕎麦湯が出てくるという、絶妙のサービスでした。店内満席で大忙しだったのに。



image1 (2).jpg

カウンターには日本酒がズラリとならんでいて、夜にはまた夜だけの一品や「そば膳」「そば会席」など魅力的なメニューもあるようですので、またぜひ夜にも伺いたいと思います。




早くも食欲の秋過ぎてコマル のごくらく地獄度 (total 2110 vs 2112 )



posted by スキップ at 22:27| Comment(0) | グルメ | 更新情報をチェックする

2019年09月25日

すべてはプロセニアムの中 「お気に召すまま」


asyoulikeit2019.jpg熊林弘高さんの演出で満島ひかりさん、坂口健太郎さんの出演といえば「かもめ」(2016年)が思い出されます。
そういえば、山路和弘さん、小林勝也さん、中嶋朋子さんと、今回のメンバーたくさん出ていましたね。

あの時も「斬新な演出だなぁ」と思ったのですが、シェイクスピアのこの戯曲も、演出はかなり独創的でした。


「お気に召すまま」
作: ウィリアム・シェイクスピア
翻訳: 早船歌江子
演出: 熊林弘高
ドラマターグ: 田丸一宏
出演: 満島ひかり  坂口健太郎  満島真之介  温水洋一  Yuqi(UQiYO)  
広岡由里子  久保酎吉  山路和弘  小林勝也  中村蒼  中嶋朋子 ほか

2019年9月5日(木) 12:00pm 兵庫県立芸術文化センター 
阪急中ホール 1階K列センター
(上演時間: 2時間40分/休憩 20分)



物語:オーランドー(坂口健太郎)は追放された前侯爵の娘・ロザリンド(満島ひかり)と恋に落ちますが、父の遺産を継いだ実の兄オリヴァ―(満島真之介)に命を狙われていると知り、アーデンの森に逃げます。同じころ、伯父である新公爵(山路和弘)に追放されたロザリンドは、彼の娘で従妹のシーリア(中嶋朋子)、道化のタッチストーン(温水洋一)とともに森に向かいます。ロザリンドは女道中は危険と男装してギャニミードと名乗り、そのままオーランドーの前に現れて恋の手ほどきをします・・・。


プロセニアム・アーチで囲まれた舞台。
アーデンの森では、さらにその中に二重にプロセニアムが設けられ、森の木々はカラフルな衣類。
この物語がすべて「額縁」の中で繰り広げられる紙芝居のようなお話だと強調するかのよう。

開演前、2列目が全部空席になっていて、「?」と思っていたのですが、始まるとすぐその理由がわかりました。
そこを役者さんたちが通路のように使って行き来したり、座席の上に立ちあがったり寝そべったり。
休憩中に見に行ったら、真ん中の数席には横板が渡してありました。この2列目と最前列A列17番は最初から演出のための席だったようです。

客席通路を頻繁に行き来する演出で、そればかりか客席に話しかけたりいじったり、かなりオープンな雰囲気でした。
そもそもシェイクスピアの時代は野外劇場(オープン・エア・シアター)が主で客席も多用したことを考えると、最初に「独創的」と書きましたが、がちゃがちゃと猥雑な部分も含めて、むしろシェイクスピアのオリジナルに近づけようとした演出なのかなとも思います。
それをふまえてのプロセニアムだったのでしょうか。


続きがあります
posted by スキップ at 17:36| Comment(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする

2019年09月23日

濃密充実 「秀山祭九月大歌舞伎 夜の部」


shuzansai201909.jpg今年の秀山祭 夜の部は「勧進帳」の弁慶が
奇数日: 仁左衛門さん
偶数日: 幸四郎さん   の日替り。
もちろんどちらも観たいのはヤマヤマですが、なかなかそうは参りません。
ということで、沈思熟考の末、「仁左衛門さんの弁慶はこれが最後かもしれないし、ましてや仁左衛門さんの弁慶で幸四郎さんが富樫を勤めるなんて、多分この先二度とないこと」と考え、奇数日を観ることにしました。

中村吉右衛門さんが体調不良のため9月16日から休演。
心配でしたが、「きっちー、頼むで」と心の中で応援(?)した甲斐あって、この日から無事復帰されました。


秀山祭九月大歌舞伎 夜の部
2019年9月19日(木) 4:30pm 歌舞伎座 1階6列下手




一、 菅原伝授手習鑑 寺子屋
出演: 中村吉右衛門  中村福助  尾上菊之助  中村児太郎  
中村鷹之資  嵐橘三郎  中村又五郎  松本幸四郎 ほか
(上演時間: 1時間23分)



terakoya201909.jpg


今、歌舞伎で観られる最高の「寺子屋」のひとつではないかと思います。
吉右衛門さんの松王丸はもとより、幸四郎さんの源蔵、菊之助さんの千代、児太郎さんの戸浪ががっぷり四つに組み、緊迫感に満ちた濃密な世界をつくり出してくれました。
さらには、又五郎さんの玄蕃、鷹之資くんの涎くりと役者が揃い、丑之助くんの菅秀才に福助さんの園生の前という豪華配役です。


続きがあります
posted by スキップ at 21:22| Comment(0) | 歌舞伎・伝統芸能 | 更新情報をチェックする

2019年09月22日

飛行機を眺めながらボリューミーサンドイッチ @NORTHSHORE


image1 (11).jpg

北浜にある人気カフェ NORTHSHORE が、伊丹空港のリニューアルに伴ってターミナルビルにオープンしたのは昨年4月。
行ってみたいなと思っていたのですが、いつも朝のフライトで空港へはギリギリの時間に到着するので(←)、なかなかゆっくり食事やお茶の時間が取れず。

先日、午後イチのフライトで上京した際に、やーっとランチできました。


NORTHSHORE CAFE & DINING 伊丹空港店
豊中市螢池西町3-555 大阪国際空港 中央ブロック 4F/5F
tel: 06-6858-3600

北浜のお店に行った時のレポはこちら


伊丹空港の南北のターミナルの真ん中、展望デッキがあるエリアの4階にあります。
4階 90席、5階 88席とかなり大バコで、さらにテイクアウト専用の100坪のテラス席も。



image2.jpg

こちらは4階。
5階フロアに案内されたのですが、窓側に向かったソファ席が満席で、じゃテーブルで、と言っていたところでひとつ空いてラッキーでした。



image1 (4).jpg  image2 (2).jpg

窓や壁に落書きっぽく書いてあるのも楽しい。
本当に Sunny day だったし。


平日のお昼間にもかかわらず、12時を過ぎたあたりから続々お客様が来て結構混み合っていました。
お子様連れのファミリーも多くて、飛行機を利用する人ばかりではなく、フツーに「ランチしにきた」という方も多い印象です。


image2 (6).jpg

目の前をゆったり飛行機が行き来したり



image2 (4).jpg

いただいたのはこちらの名物のひとつ
スプラウトベジタブルエッグサンドイッチ
オプションでクリームチーズをオン
ドリンクはレモネードをチョイスしました。

かなりボリューミーですが野菜の分量が多く、味付けもシンプル&ヘルシー。
パンも軽い感じなのでサクサク完食です。



とはいえ、おなかいっぱいでこの日は夜になっても全然おなかすかなかったよぅ のごくらく地獄度 (total 2108 vs 2110 )



posted by スキップ at 22:57| Comment(0) | グルメ | 更新情報をチェックする

2019年09月21日

ホラーの顔をした人間ドラマ 「ブラッケン・ムーア」


brackenmoore.jpg「私たちの失ったものが帰ってきた。息子の姿をして-」
このコピーや「亡霊」という言葉が入ったサブタイトル、フライヤーの雰囲気から、ゴシックホラーか、もしくは岡田将生くんが息子になりすます犯罪劇かと思っていました。

が、そこに浮かび上がるのは、止まっていた過去から立ち上がって前へ進もうとする者と、まるで時代に取り残されたように動くことができない者が織りなす再生と喪失の、濃密な人間ドラマでした。


「ブラッケン・ムーア ~荒地の亡霊~」
作: アレクシ・ケイ・キャンベル
翻訳: 広田敦郎
演出: 上村聡史
出演: 岡田将生  木村多江  峯村リエ  相島一之  
立川三貴  前田亜季  宏田力  益岡徹

2019年8月31日(土) 6:15pm シアター・ドラマシティ 10列センター
(上演時間: 2時間35分/休憩 20分)



物語の舞台は1937年のイギリス ヨークシャー州の重厚な屋敷の居間。
この家の主 ハロルド・プリチャード(益岡徹)は裕福な炭鉱主ですが、10年前に一人息子・エドガー(当時12才)がブラッケン・ムーアという荒野の廃坑に落ちて亡くなって以来、妻エリザベス(木村多江)はふさぎこんで家に引きこもっていますが、そんな彼女を励まそうと旧友のエイブリー夫妻(相島一之、峯村リエ)が息子とともに訪ねてきます。夫妻の息子 テレンス(岡田将生)は亡きエドガーの親友でしたが、彼にエドガーの霊が憑依して・・・。


冒頭はハロルドと炭鉱閉鎖によって失職に追い込まれたジョン・ベイリー(立川三貴)の議論が続きます。
相容れない二人の会話に、当時のイギリスやヨーロッパの経済・社会情勢、迫り来る石炭産業の行き詰まりと凋落、古い価値観の崩壊といった時代の転換期が透けて見え、それらを肌では感じながらも、保守的で傲慢な態度を崩さないハロルドの閉塞感がこの邸宅を覆っているように感じられます。

この後、この屋敷に現れるテレンスは若く聡明で、左派の思想を持つ芸術家。
二人の会話も相容れることはありません。

やがてエドガーがテレンスに憑依。
その言動がエドガーの魂だと信じて疑わない母 エリザベス。
テレンスが芝居をしていると決めつける合理主義の父 ハロルド。
ここでも夫婦でありながら相容れない二人が垣間見えます。


続きがあります
posted by スキップ at 16:09| Comment(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする