2019年03月10日

ハルとの訣別 「ヘンリー五世」


henryv.jpg「ヘンリー四世」(2013)のハル王子とフォルスタッフのわちゃわちゃが映像で流れて、懐かしいなぁと思いながら観ていたら、まるでスクリーンから抜け出てきたようにフォルスタッフ(吉田鋼太郎)が客席通路から現れて、「ハルが国王になった!バンザイ!バンザ~イ!!」。通路側の席で、フォルスタッフが真横に立ってバンザイするものだから、私も思わず両手挙げたよね。

そして、王冠を戴いたハル王子改めヘンリー五世の隊列が舞台上を対角線に静かに進みます。
フォルスタッフに声をかけられたヘンリーが、「私はお前など知らない」と言い放つ、大好きなラストシーンの再現。
若くやんちゃなハル、国王となったヘンリー、どちらも演じるのは、松坂桃李くん。
この物語が「ヘンリー四世」と地続きであることが印象づけられました。

思えば「ヘンリー四世」の時、松坂桃李くんはまだ舞台デビュー2作目でした。
もし蜷川さんがご存命だったら、この「ヘンリー五世」を上演するにあたって、ヘンリーにはやっぱり桃李くんをキャスティングされたかなぁ・・・そんなことに思いを馳せたプロローグ。


彩の国シェイクスピア・シリーズ第34弾 「ヘンリー五世」
作: ウィリアム.シェイクスピア
翻訳: 松岡和子
演出: 吉田鋼太郎
美術: 秋山光洋
照明: 原田 保
出演: 松坂桃李  吉田鋼太郎  溝端淳平  横田栄司  中河内雅貴  
河内大和  間宮啓行  廣田高志  沢海陽子  悠木つかさ  宮崎夢子 ほか
演奏: 児島亮介  中原裕章

2019年3月7日(木) 6:30pm シアター・ドラマシティ 6列センター
(上演時間: 3時間5分/休憩 15分)



「ヘンリー四世」の感想はこちら


父ヘンリー四世の後を継いで即位したヘンリー五世(松坂桃李)がフランス皇太子ルイ(溝端淳平)率いる強大な兵力のフランス軍に対して圧倒的不利の中奇跡的勝利をおさめ、講和を結んでフランス王の娘キャサリン(宮崎夢子)と結婚するまでが描かれる物語。
百年戦争のほぼ半ばにあたり、史実ではヘンリー五世の即位が1413年、キャサリンとの結婚は1420年ですのでということですので、この7年間の物語です。


若く凛々しく勇敢で才知に溢れ、カリスマ性もあって臣下の者たちからも尊敬されるヘンリー五世。
「ヘンリー四世」が、放蕩の限りをつくしたハル王子がヘンリー五世の入口に立つまでを描いた物語なら、彼の中にまだ残っていたハルと完全に訣別して、名実ともに国王ヘンリー五世となっていく姿が描かれる「ヘンリー五世」。


続きがあります
posted by スキップ at 23:53| Comment(2) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする