2019年01月05日

ただひとつ願うのはあの人の幸せ 星組 「霧深きエルベのほとり」


elbe.jpg2019年エンタメはじめ。
タカラヅカでスタートできるのは華やかでハッピー感満載。

宝塚歌劇星組公演
Once upon a time in Takarazuka
「霧深きエルベのほとり」
作: 菊田一夫
潤色・演出: 上田久美子
出演: 紅ゆずる  綺咲愛里  礼真琴  万里柚美  
美稀千種  七海ひろき  如月蓮  天寿光希  
音波みのり  麻央侑希 瀬央ゆりあ  紫藤りゅう  
有沙瞳  天華えま  極美慎  水乃ゆり/
一樹千尋  英真なおき ほか

2019年1月3日(木) 3:00pm 宝塚大劇場 1階6列上手
(上演時間: 1時間35分)



「Once upon a time in Takarazuka」と冠がついた作品。
「霧深きエルベのほとり」は菊田一夫さんが宝塚歌劇のために書き下ろして1963年(昭和38年)に初演された作品。
その後も何度か再演されているということですが、いずれも観ておらず今回初見。

ビア祭りに浮き立つドイツの港町 ハンブルグを舞台に、情に厚く人間的魅力に溢れながらもどこか哀しみを湛えた船乗りカール(紅ゆずる)と父親との確執から家出した名家の令嬢マルギット(綺咲愛里)という"身分違い“の二人の悲恋を、マルギットの婚約者フロリアン(礼真琴)やカールの船乗り仲間たちをまじえて描く物語。

私たち観客の涙をしぼる劇作でクリーンヒット連発の上田久美子先生が、この古典的な物語をどんなふうに潤色・演出されるのか、とても楽しみにしていました。

この作品について上田先生はプログラムで、「誰にでもすんなりわかる完璧な物語構造と、素朴な言葉の中に本物の男らしさを宿す台詞を兼ね備えた、自分には逆立ちしても一生到達できなさそうな戯曲である」と述べられていますが、その言葉どおり、オリジナルの戯曲と台詞を尊重して、改訂はあまり加えられなかったのではないかと拝察します。

率直に言って、身分違いの恋という設定も、悪ぶって見せて実はいいヤツというキャラクターも、その男が恋人の幸せを思って身を引くために自分が悪者になって相手から愛想尽かしするように仕向けるというパターンも、使い古したメロドラマのよう。
演劇的にも、登場人物がやたら自分の感情を台詞で言うとか、「職業の低さ」という言葉とか、いろいろ古くさい。

それでも、マルギットと別れたカールがヴェロニカに泣いて自分の心情を吐露し、船へと向かった後、フロリアンとマルギットがカールを探しにやってきたところで思わず泣きそうになりました・・・まんまとハマってるやん。

ただ、個人的な好みからするこの場面は蛇足かなぁ。
ヴェロニカをマルギットに見立ててカールにあんなこと言わせなくても、観ている私たちにはカールがマルギットの幸せを思ってわざとあんなことを言ったこと、痛いほどわかります。
紅さんの演技力も、観客のイマジネーションも、もっと信じてもらっていいと思います。




続きがあります
posted by スキップ at 17:16| Comment(0) | TAKARAZUKA | 更新情報をチェックする