

柿葺落四月大歌舞伎 夜の部は昼の部から座席をそのまま1列後ろにずらしただけのセンターブロック通路横からの観劇となりました。
柿葺落四月大歌舞伎 夜の部
松本幸四郎改め 二代目 松本白 鸚
市川染五郎改め 十代目 松本幸四郎 襲名披露
2018年4月20日(金) 4:00pm 御園座1階2列センター
一、梶原平三誉石切 鶴ヶ岡八幡社頭の場
出演: 中村吉右衛門 中村歌六 中村雀右衛門 中村歌昇 中村種之助
中村米吉 中村吉之丞 嵐 橘三郎 澤村宗之助 中村又五郎 市川左團次 ほか
(上演時間: 1時間20分)
「石切梶原」はこれまで何度も観た演目で、もちろん吉右衛門さんの梶原平三も何度も観ています。
にもかかわらず、今回が一番おもしろかった。
すごく感動するとか泣ける、という訳でもないのに。こういうのを「筋より役者で見せる狂言」というのかしら。
それから、前の方の(高い)席で観ると気合入って戯曲に入り込める、という自分の性分もいい加減何とかしたい。
いかにも大きさのある吉右衛門さんの梶原平三ですが、「二つ胴」や「石切り」で見せる殺陣の豪快さは言うに及ばず、懐紙をくわえて刀を目利きする姿、刀の柄に下げ緒を巻く手つきなど、どれをとっても美しい。
六郎太夫・梢 父娘と大庭三郎や俣野五郎のやり取りをじっと聴いているところでは、台詞はないながら、六郎太夫や梢の言葉にうなずいたり微笑んだりと細やかに反応する芝居をされているのに今回初めて気づきました(今まで何を観ていたんだ、自分)。
歌六さん六郎太夫、雀右衛門さんの梢、左團次さんの大庭、又五郎さんの俣野、と、周りの役者さんたちも鉄板で当代のはまり役を揃えた感じ。
特に歌六さんの六郎太夫が滋味にあふれ、いかにも娘思いの情愛深い父でありながら源氏に与する気骨も見せてすばらしかったです。

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