2017年11月07日

夜空にあまたの星 星組 「ベルリン、わが愛/Bouquet de TAKARAZUKA」


berlin.jpg宝塚の大劇場公演は、初日開いてすぐ1回観て、終盤にもう1度観るというのを基本としています(もっと何回も観る公演もありますが)。

今回の星組公演、諸般の事情により、最初の方に取っていたチケットを手放してしまったので、公演の前楽がmy 初日、しかもA席から、1回だけの観劇となりました。


宝塚歌劇星組公演
ミュージカル 「ベルリン、わが愛」
作・演出: 原田諒
タカラヅカレビュー90周年
「Bouquet de TAKARAZUKA 」 (ブーケ ド タカラヅカ)
作・演出: 酒井澄夫
出演: 紅ゆずる  綺咲愛里  礼真琴  七海ひろき  壱城あずさ  如月蓮  
天寿光希  音波みのり  夏樹れい  瀬央ゆりあ  有沙瞳/凪七瑠海 ほか

2017年11月5日(日) 3:00pm 宝塚大劇場 1階28列センター
(上演時間 3時間/休憩 30分)



「ベルリン、わが愛」

1927年のベルリン。
フリッツ・ラング監督(十碧れいや)の映画「メトロポリス」のワールドプレミアが開かれていますが、観客の評判は散々で失敗に終わり、制作会社UFAは倒産の危機に瀕します。
ハリウッドでは映画はサイレントからトーキーの時代に入り始めた時代。助監督のテオ(紅ゆずる)は自分が新作トーキー映画をつくる、とプロデューサーのカウフマン(七海ひろき)に申し出ます。テオは絵本作家の友人エーリッヒ(礼真琴)に脚本を依頼し、折しも公演中のジョセフィン・ベイカー(夏樹れい)に出演交渉する中、コーラスガールのレーニ(音波みのり)と彼女の友人ジル(綺咲愛里)に出会います。やがて完成した「忘れじの恋」は大成功を収めますが、宣伝指導者ゲッベルス(凪七瑠海)を中心としたナチス
はプロパガンダとして映画を利用しようとしていました・・・。


「メトロポリス」のワールドプレミアの観客の反応で、昨年コクーンで「メトロポリス」観た時のビミョーな感じ思い出したり、ナチスやゲッべルスと聞くだけで「国民の映画」や「テイキングサイド」「ホロヴィッツとの対話」が心に浮かんだり、私がこれまで観た舞台といろいろリンクする面の多い作品でした。


冒頭のワールドプレミアの場面。
幕が上がると大階段を客席に見立てて、ドレスアップした観客がこちら向きにぎっしり座っている演出、よかったな。
あちらこちらの席から一人、また一人と立ち上がって言葉を発するたびに、「お、かいちゃん、そこにいたのか」「しーらん、シブいな」「ぽこくん、イケメン監督だな」とか発見して、楽しいったらありゃしない。


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2017年11月04日

ビリーは希望  「ビリー・エリオット」 大千穐楽


billy2.jpg


誇りを抱いて歩け 力強く
冷たい地の底へと 我らともにいざ行こう


ロイヤルバレエスクールへと旅立つビリー
ヘッドランプをつけて送り出す炭鉱夫たち
ストライキに敗れた彼らが、ビリーへの別れを込めて歌い、再び炭鉱へと潜って行く。
心に誇りを持って。

彼らにとって、ビリーはその頭上のライトのように、希望だったんだ。
炭鉱夫たちばかりでなく、ビリーの父のジャッキーにも、兄のトニーにも
ウィルキンソン先生やバレエ教室の女の子たちにも
そして、炭鉱の町に残る親友のマイケルにとっても
ビリーは希望。

Once We Were Kings というこの場面で号泣。

誇りを抱いて歩け 力強く と繰り返し歌うジャッキーやトニーや炭鉱夫たちの、それこそ力強い歌声が、ビリーに希望を託しながらも自分たちの誇りは失わない、と宣言しているようで。

というか、一幕でも二幕でも、それまでにも散々泣いたのですが。

ビリーが初めてピルエットで回った時
お母さんからの手紙
持って行きようのない怒りを爆発させる Angry Dance
オールダービリーと踊るスワンレイク
僕はもう自由 と歌い踊る Electricity

一つひとつ どの場面も宝石のように輝いていて愛おしい。


ミュージカル 「ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~」
脚本・歌詞: リー・ホール 
演出: スティーヴン・ダルドリー
音楽: エルトン・ジョン 
振付: ピーター・ダーリング
翻訳: 常田景子  訳詞: 高橋亜子 
出演: 前田晴翔  吉田鋼太郎  柚希礼音  久野綾希子  
藤岡正明  小林正寛  栗山廉  山口れん ほか

2017年11月4日(土) 12:00pm 梅田芸術劇場メインホール 1階13列下手
(上演時間 2時間55分/休憩 20分)



1回目の感想はこちら


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「ビリー・エリオット」 本日126公演目。
大千穐楽でした。


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2017年11月03日

時を超え 性を超越し 「オーランドー」


orlando.jpgヴァージニア・ウルフが恋人であった詩人 ヴィタ・サックヴィル ウェストをモデルにして書いたとされる物語。
後にヴィタのご子息が「文学における、最も長く魅力的な恋文」と評しているとか。


KAAT×PARCO 「オーランドー」
原作: ヴァージニア・ウルフ 
翻案・脚本: サラ・ルール 
翻訳: 小田島恒志  小田島則子
演出: 白井晃 
美術: 松井るみ 
音楽: 林正樹 
出演: 多部未華子  小芝風花  戸次重幸  
池田鉄洋  野間口徹  小日向文世

2017年10月22日(日) 12:00pm 兵庫県立芸術文化センター 
阪急中ホール 1階A列センター
(上演時間 2時間15分/休憩 20分)



物語の始まりは16世紀のイングランド。
美しい少年貴族オーランドー(多部未華子)は、エリザベス女王(小日向文世)の寵愛を受け、小姓となって宮殿に入ると他の貴婦人たちにもモテモテです。しかし初めて恋に落ちたロシアの美姫サーシャ(小芝風花)に手ひどく裏切られ、傷心のオーランドーは自ら望んでトルコ大使となります。とある出来事からこん睡状態に陥った彼は7日目に目覚めた時、女性に変身していました。女性となったオーランドーはその後も18世紀、19世紀と時を超えて生き続け・・・。


セピア色に曇った空と雲、打ち寄せる波が映し出されたホリゾントのスクリーン。
無粋な開演前の諸注意アナウンスもブザーもなく、開演時間になるとスクリーンの雲が静かに流れ始め、波の音が聞こえてきて、やがて生演奏のミュージシャンが位置に着くという幕開き。
このオープニングはじめ、いかにも白井晃さんらしい美意識やこだわりが感じられる演出が随所に見られました。


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2017年11月02日

我々は運命に戦うように仕向けられている 「トロイ戦争は起こらない」


toroy.jpg終演後、駅に向かう道で聞こえてきた年配のご夫妻の会話。
「戦争っちゅうもんはほんまにちょっとしたきっかけで起こるんや」
「そうや。そやから今の若いもんはこんな芝居どんどん観たらええねん!」

本当にそう。
トロイに起こった戦争の発端は女性の取り合いだったけれど、これを「領土」と置き換えたら、「民族」あるいは「宗教」だとしたら・・・。
今も昔も繰り返される争い、その愚かしさは少しも変わっていません。だからこそこの紀元前のギリシャ神話の世界の物語が普遍性を持って多くの書物になったり、繰り返し上演されているのでしょう。


「トロイ戦争は起こらない」
作: ジャン・ジロドゥ 
翻訳: 岩切正一郎
演出: 栗山和也
美術: 二村周作 
音楽・演奏: 金子飛鳥 音響:山本浩一
出演: 鈴木亮平  一路真輝  鈴木杏   谷田歩  江ロのりこ  
川久保拓司  大鷹明良  花王おさむ  三田和代 ほか

2017年10月26日(木) 1:00pm 兵庫県立芸術文化センター 
阪急中ホール 1階I列(5列目)センター
(上演時間 2時間45分/休憩 20分)



物語: 長い戦争が終わり、平和が訪れたトロイの国。アンドロマック(鈴木杏)は夫であるトロイの王子エクトール(鈴木亮平)の帰りを待っていました。しかし、義妹のカッサンドル(江口のりこ)は再び戦争が始まるという不吉な預言をします。一方、エクトールの弟パリス(川久保拓司)は、ギリシャ王妃エレーヌ(一路真輝)を戦争の混乱に紛れて略奪してしまいました。ギリシャ国王メネラスは激怒し、「エレーヌを返すか、我々ギリシャ連合軍と戦うか」とトロイに迫り、使者としてオデュセウス(谷田歩)がやって来て、エクトールと対峙します。


ホメロスの叙事詩「イリアス」を題材に、フランスの劇作家 ジャン・ジロドゥが1935年に発表した作品。ヨーロッパでナチスが台頭してきた時期でもあり、ジロドゥは外交官でもあったということで、とても現実的、今日的。

美しいエレーヌを返すなんてもってのほか、トロイの威信にかかわる、戦争だ!とトロイの男たち・・・ここに登場するトロイの男は、エクトールとパリスを除けば自分たちは戦場に出ることはない年寄りの権力者なのですが。
妻を奪われ、名誉を汚されたギリシャ国王が激怒するのは当然として、だけどギリシャが本当に欲しかったものは、長年狙っていたトロイの富だったに違いありません。
そんな両国の思惑に翻弄されながら、何とか戦争を回避しようとするエクトール。


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posted by スキップ at 23:49| Comment(0) | 演劇・ミュージカル | 更新情報をチェックする