2017年08月18日

播磨屋の芸を受け継ぐ覚悟 「第三回 双蝶会」


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8月第1週週末の自主公演・勉強会集中シリーズのラストは中村歌昇・種之助ご兄弟の「双蝶会」(これだけ東京だけど)。
今年で3回目ですが、昨年は平日開催で行けませんでしたので、2015年の第1回以来2年ぶりの観劇となりました。


中村吉右衛門監修
第三回 中村歌昇 中村種之助 勉強会 「双蝶会」
2017年8月5日(土) 5:00pm 国立劇場小劇場 2列下手
(上演時間 2時間48分)



一條大蔵譚 奥殿
出演: 中村種之助  中村歌昇  中村米吉  中村蝶十郎  中村蝶紫  中村壱太郎


種之助くんが一條大蔵卿。
鬼次郎に歌昇くん、お京が米吉くん、常盤御前に壱太郎くんという配役です。
  
種之助くんの大蔵卿は教えられた通りに懸命に丁寧に演じているけれど、初日ということもあってか少しいっぱいいっぱいかなという印象を受けました。
檜垣茶屋の場がなくていきなり奥殿からなので難しい部分もあったかなぁとも思いますが、あまりゆとりがなくて、つくり阿呆のおかしみというか、本当の姿との落差が小さめ。
声はいいし、世を偽って生きてきた人間の悲しみを感じさせることはできていたと思いますので、あとは経験かな。

歌昇くんの鬼次郎はニンにも合っていて本公演でもやれそうです。
というか、「奥殿」って思ってた以上に鬼次郎が中心の場面なんだと感じたのは歌昇くんの力量によるものと思います。

お京の米吉くんは相変わらず声がよく通り、凛とした武家女房の雰囲気もよく出ていました。
常盤御前の壱太郎くんは品よく位が高い感じもよく出ていましたが、何だか鬘がおかしかった(?)←幕間にご一緒した方たちも「最後の方ズレてた」とおっしゃっていました。
脇を固める蝶十郎さんの勘解由、、蝶紫さんの鳴瀬もしっかり。


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2017年08月16日

祝 大阪初見参 「挑む」 Vol.9


idomu2017.jpg尾上松也さんがお父様の松助さんを亡くされた後、「このままただ待っていてはチャンスは巡ってこない」と考えて、2009年に始めた自主公演。
9年目の今年、初めて大阪に登場です。

その初日。
開演前のロビーでは藤間宗家(勘十郎さん)のお姿もお見かけしました。


尾上松也 歌舞伎自主公演
「挑む」 Vol.9 大阪公演

2017年8月4日(金) 6:00pm ABCホール A列センター
(上演時間 2時間15分



一、大阪御目見得 口上
尾上松也


紋付袴でキリリと正座する尾上松也さん。
大阪初御目見目の初日ということで、最初は少し緊張気味にもお見受けしましたが、話始めると滑らか。
2005年 二十歳の時にお父様を亡くされたことから「挑む」を始めるきっかけ、一から始めるのはとても大変だったこと、大阪で開催できた喜び、そしてこの後の演目の解説などを流れるように話されました。
締めの口上はさすがに声よしの松也くん、ピシリとキマりました。


ニ、三社祭
振付: 藤間勘十郎
出演: 澤村國矢  市川蔦之助


悪玉が國矢さん、善玉に蔦之助さんを配しての舞踊。
最初少し硬いかな?とも思ったのですが、踊り巧者で何度も組んで踊っていらっしゃるお二人ですので、キビキビ軽やかで、要所要所の見えも美しく決まります。
今まであまり意識したことなかったのですが背格好も似た感じで、それがより「コンビ感」を出していました。

この演目は下座音楽が録音だった模様。


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2017年08月15日

古典に挑戦 第三回あべの歌舞伎 晴の会 「東海道四谷怪談」


soranokai3.jpg松竹・上方歌舞伎塾 第一期生の片岡松十郎さん、片岡千壽さん、片岡千次郎さんの三人で結成された「晴の会」。
2015年に始まって今年はもう3回目です。
第1回、2回と上方落語を題材にした新作を上演されましたが、今年は古典に挑戦。
しかも 「東海道四谷怪談」ですって。


第三回あべの歌舞伎 晴の会
「東海道四谷怪談」
作: 四世鶴屋南北   改訂: 亀屋東斎
監修: 片岡仁左衛門  片岡秀太郎
演出: 山村友五郎
出演: 片岡松十郎  片岡千次郎  片岡千壽  片岡りき彌  
中村翫政  片岡當史弥  片岡佑次郎  片岡當十郎

2017年8月4日(金) 11:00am 近鉄アート館 Aブロック6列
(上演時間 2時間50分)



第一回(2015年)
第二回(2016年)


「四谷怪談」と聞いた時、どうなるの?と思いました。
舞台装置も大がかりなものはできませんし、出演者の数(8名)も上演時間も限られていますので、ダイジェスト版のようなものか、いくつかの場面の見取り上演になるのかな、と。
(だって、5月に観た木ノ下歌舞伎の「東海道四谷怪談」は6時間、2015年12月に国立劇場の通し上演も5時間近かったはずだもの。)

ところが、しっかり通し上演で、戸板返しなかもちゃんとあって、さすがに仁左衛門さん、秀太郎さん監修だけあって皆さん所作もきっちり。歌舞伎の色濃い正統派の「東海道四谷怪談」でした。
怪談としての恐ろしさ、仕掛けやケレン味がクローズアップされがちな演目ですが、この戯曲は南北の描いた人間ドラマだと改めて感じました。

片岡千次郎さん演じる噺家さんのような戯作者(「牡丹灯籠」でいう圓生さんのような役回り)が冒頭にざっと物語を説明されるのですが、その後も折にふれて登場して人間関係やカットした場面を語る、という趣向。
千次郎さんの語りもお上手で、途切れることなく物語世界が展開していきました。
お袖ちゃんが直助権兵衛と佐藤与茂七の二人から斬られるに至るくだりは少し端折りすぎで、「知らない人、これでわかるのかな?」とも思う部分もありましたが、全体の流れもよくできていて「通しで四谷怪談を観た」感あって大満足でした。


そして役者さんはやっぱり皆うまい。


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2017年08月14日

暫定 my best! 月組 「All for One」 宝塚大劇場千秋楽


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宝塚歌劇月組「All for One」 大劇場千秋楽に行ってきました。
新人公演含めて4回目でしたが、すーっと楽しいまんま。
まだまだ新しい発見もあったり。
現時点で2017年度宝塚歌劇 一番のお気に入り作品であります。


宝塚歌劇 月組公演
三井住友VISAカード シアター
浪漫活劇(アクション・ロマネスク)
「All for One」 ~ダルタニアンと太陽王~
脚本・演出: 小池修一郎
出演: 珠城りょう  愛希れいか  美弥るりか  宇月颯  暁千星  憧花ゆりの  
綾月せり  夏月都  早乙女わかば  海乃美月 風間柚乃/一樹千尋  沙央くらま ほか

2017年8月14日(月) 1:00pm 宝塚大劇場 1階27列センター
(上演時間 3時間+35分)



感想は前回書きましたので(こちら)、詳細は避けるとして、千秋楽に感じたことを少し。


この作品は今の月組に本当によく合っていたなぁと思います。
前回も書いたように、「トップが若いから上級生も多い」組構成をうまく活かして、しかもその配役が絶妙にハマっていて、珠城りょうさんの代表作になると同時に月組の代表作になるのではないかしら。

コメディって、回を重ねると笑いが陳腐化してしまうこともありますが、今日の千秋楽まで、いつも客席には笑い声が響いていました。
それもアドリブとかヘン顔とかリアクションとか、そういうことで笑わせるのではなく、きっちり芝居をつくりあげた上で・・・このあたり、先日観た某星組公演と対照的だなと思いました(まぁ、あれはあれで楽しかったけれども)。
珠城りょうさんはこれが大劇場トップ2作目ですが、彼女のおおらかさ、誠実さや品、お行儀のよさがこの作品全体にとてもよい影響を及ぼしていると思います。
楽しくて、幸せな気分にもなって、観終わるとすぐまた観た~いと思える舞台でした。


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2017年08月13日

どうやって彼を見つけよう 「OTHER DESERT CITIES」


otherdesert.jpg寺島しのぶさん、麻実れいさん、佐藤オリエさんの共演というだけで観たくなる舞台。
そこに中嶋しゅうさんが加わって・・・と楽しみにしていたのに、あんなことになるなんて。


「OTHER DESERT CITIES」
作: ジョン・ロビン・ベイツ 
台本: 早船歌江子 
演出: 熊林弘高 
美術: 島次郎
出演: 寺島しのぶ  中村蒼  麻実れい  斎藤歩  佐藤オリエ

2017年7月31日(月) 1:00pm シアター・ドラマシティ 1列下手
(上演時間 2時間30分)



物語: 2004年のクリスマスイブ。カリフォルニア州パームスプリングスのワイエス家に娘のブルック(寺島しのぶ)が帰郷し、久しぶりに出版する予定の自らの作品について、「これは小説じゃない。回想録なの」と宣言します。
ブルックは、敬愛する兄ヘンリーが自殺した原因は両親(斎藤歩・ 佐藤オリエ)にあると考え、それを告発しようとしているのでした。それを阻止しようとする両親と激しく対立するブルック。弟トリップ(中村蒼)、アル中の叔母シルダ(麻実れい・・こんな役多いよね~。そして上手い!)を巻き込みながら、やがて語られる真実は・・・。


本箱だったりテーブルや暖炉など見立てられた白い箱がいくつか積み重ねられたり並べられたりするだけのシンプルでスタイリッシュな舞台装置。
客席最前列の真ん中の席が空席になっていて、そこにブルックが、物語の終盤にはトリップが座り、舞台を見つめるという演出。
ブルックの寺島しのぶさんが時折舞台下手に立ち、また客席で台本のト書きを読んだりも。

2004年といえばイラク戦争真っ最中で、9.11(2001年)の記憶も新しく、父親のライマンは共和党の実力者という設定。
政治的な台詞も数多く出てきますが、基本的には病んだ家族の再生の物語。
しかも結末はちょっと寓話っぽい・・と感じたのは私だけかな。映画「ゴールデンスランバー」が心に浮かびました。


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2017年08月12日

松竹座 七月大歌舞伎 夜の部


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仁左衛門さん源五兵衛のこの特別ポスターを見た瞬間、「ずるい」と思いました。
これ、絶対観ずにはいられなくなります。もちろん最初から観劇予定ではありましたが。
(右のポスターは2011年版の使いまわしだよね)


大阪松竹座新築開場二十周年記念
関西・歌舞伎を愛する会 第二十六回
七月大歌舞伎 夜の部

2017年7月20日(木) 4:00pm 松竹座 1階3列下手/
7月27日(木) 4:00pm 3階1列センター
(上演時間 4時間5分)



一、再春菘種蒔  舌出三番叟
出演: 中村鴈治郎  中村壱太郎


三番叟は本当にいろいろなバリエーションがあって、これまでにもたくさん観てきましたが、「舌出」三番叟は初めてでした。
振りの中にペロリと舌を出す仕草があるのが特徴でしょうか。

お父様よりご子息の方が踊りはお得意のようにお見受けしましたが、いかにも福々しい鴈治郎さんは三番叟にぴったり。
踊りは楷書できっちり品よくお行儀もよく。
壱太郎くんの千歳のは凛とした姿の美しさもさることながら、足さばき(というのか?)の軽さにいつもながら感心。
まるで羽でもはえているかのように音もたてずに進むかと思えば、トンッと小気味よく踏み鳴らしたり。


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